— Storia —

ロードスター珈琲

最初のクライアントは、自分だった。

Incontro

Legame Studioを始めたとき、手元にあったのはカメラと、コードを書く手段と、一台のロードスターだけだった。

実績を並べるサイトはあっても、そこに人は来ない。

届ける手段がないという悩みは、独立した個人事業主なら誰もが最初にぶつかる壁で、私も例外ではなかった。

つまりこの記録の相手は、独立したばかりの、どこにでもいる小さな事業者。自分自身だった。

Problema

作る力はある。映像も、写真も、Webも、アプリも作れる。

けれど、届ける手段がなかった。広告を出せば大手の予算に埋もれる。

SNSに投稿しても、フォロワーのいないアカウントの声は誰にも届かない。

「いいものを作れば見つけてもらえる」が通用しないことは、作り手が一番よく知っている。

必要なのは、借り物ではない自分のメディアだった。

広告費が尽きたら止まる集客ではなく、続けるほど強くなる場所。

それを、外注せず自分の手で建てられるか。

Legame Studioの最初の実験は、自分を被験者にして始まった。

Creazione

「ロードスター珈琲」。愛車のNDロードスターと珈琲のある時間を記録する、小さなYouTubeチャンネル。

企画、撮影、編集、サムネイル、チャンネル運用まで、すべてを一人で。派手な企画には頼らず、一台の車と長く付き合う過程——整備も、トラブルも、遠出も——をそのまま記録する方針だけを決めて、更新を続けた。

チャンネルが育つにつれて、周辺も自分の手で建てていった。最新の動画が自動で並ぶブランドサイト。そして、視聴者と同じ「愛車と長く付き合う人」のために開発したiOSアプリ「愛車ログ」。給油や整備の記録を、動画で見たそのままの温度で残せる道具。メディアと、その受け皿と、そこから生まれたプロダクト。三つがひとつの線で繋がっている。

Legame

ある朝、愛車のバッテリーが突然死んだ。その一部始終を記録した動画は、Xで82,000インプレッションを超えて広がり、チャンネルは収益化の目前まで育った。トラブルさえ資産に変わるのが、自分のメディアを持つということだった。

そして今も、更新は続いている。

ミーティングで視聴者に声をかけられ、その人たちが愛車ログを使い、次の動画を待っている。

広告費はここまで一円も使っていない。

この経験——メディアの設計から映像制作、サイト構築、アプリ開発までを一気通貫で
やり続けることが、いまLegame Studioがクライアントと一緒にやっていることの原型になっている。

最初の実験は、まだ終わっていない。

Stack

YouTube / WordPress(自作テーマ・RSS連携)/ Capacitor + React + Supabase(愛車ログ)

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